ES 空気比制御弁
概要と特徴
エクリプスES シリーズ空気比制御弁は、バーナに送られる空気の流量に対応して一定の空気比になるようにガス流量を変化させるガス制御弁です。通常、バーナの燃焼空気ラインに温度制御弁を配し、下流側の位置から空気圧(導圧)を取り出し、本制御弁のローディング圧として用います。空気比制御弁は、ローディング圧を導入するチャンバーとガスの下流側につながるチャンバーが設けられています。この間に仕切るためのスプリングで上部より支持されたダイアフラムがあり、一方下部は制御弁の弁ディスクにつながっています。この構造により燃焼空気量が増減がガス流量の比例した増減をもたらします。この比例関係は空気比と直接関連するので、結果として燃焼運転範囲に亘り一定の空気比制御が行われます。ES シリーズは、さらに低流量域で高流量域の空気比とは別に設定できるようにバイアス調整ができるようになっています。ESシリーズは、大きなダイアフラムを採用しているので、燃焼運転囲の広い範囲で、安定した空気比制御を提供します。本シリーズには、高ターンダウン比用の特殊モデルも用意されています。
主な仕様
使用流体: 天然ガス、製造ガス、 LPG ガス、空気ダイリューターガス。
周囲温度: -40℃~ 96℃
モデル | 口径 | 最大入口圧 | 最大流量 |
---|---|---|---|
Rc | kPa | Nm3/h | |
ES365M | 3/4 | 6.9 | 35 |
ES366M | 1 | 6.9 | 39 |
ES363M | 1-1/2 | 34 | 180 |
ES368M | 2 | 34 | 330 |
ES369M | 3 | 35 | 736 |
機種構成と選定
ES シリーズは接続口径で5機種あり、それぞれの最大性能は仕様に記載されています。機種の選定は下記の方法で行ってください:
- 所要のガス最大流量の天然ガス換算流量を算出し、容量表からこの流量を超える容量をもつモデルで、その中で最小の口径を持つモデルが適切な機種となります。天然ガス換算流量の算出には、所要のガス最大流量に右の換算表から使用するガスの係数を乗じることにより求まります。
- 流量特性図から天然ガス換算流量に対する空気比制御弁の圧力損失を求めます。
- 空気比制御弁からバーナまでの配管、機器圧損と、バーナーの圧力損失の合計を2で求めた圧力損失に加算します。
- 3. で求めた圧力損失に1.25 を乗じた値が、空気比制御弁の入口での必要最低ガス圧力です。
選定例:
条件: 使用ガス=ブタンガス、最大必要ガス流量= 165Nm3/h、 バーナガス圧力損失= 1.5kPa、空気比制御弁からバーナまでの総配管圧力損失= 0.75kPa。
計算: 換算流量= 165 × 1.82=300(Nm3/h)。容量表より適切なモデル= ES368M。ES368M の流量特性図から、この換算流量では5.75kPa の圧力損失。したがって、空気比制御弁入口圧力= (5.75+1.5+0.75) × 1.25 = 10(kPa)。
流量特性図